ぶどう畑

 長野県北安曇郡池田町は安曇野の北部に位置し、北アルプスを望む風光明媚な地域です。年間を通して降水量が少なく、昼夜の寒暖差が大きいため、ぶどう栽培に適しています。特に地元で東山と呼ばれる丘陵地は、西向き斜面で日当たりが良く、30年以上前から欧州品種の垣根栽培が行われています。私たちの畑もその東山にあり、畑から北アルプスの山々や安曇野の風景を見渡すことができます。

<圃場データ>

  • 場所:長野県北安曇郡池田町/鵜山地区、渋田見地区
  • 標高:約620m
  • 向き:西向き斜面
  • 圃場面積:約3.3ha
  • 品種:ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、ゲヴェルツトラミネール、メルロー、シラー、カベルネ・ソーヴィニヨン、バルベーラ、サンジョベーゼ、マルベック

栽培について

良いワインは良いぶどうから–

■ 栽培と醸造の経験から導かれた確信

栽培を始めて9年、醸造に携わって5年というまだ短い経験の中で、試行錯誤を繰り返すうちに確信したことがあります。それは、美味しいワイン造りの第一歩は、ぶどう栽培にあるということ。そして、病気や腐敗のない健全で凝縮感のあるぶどうを収穫することが、「美味しいワインを作る」ための鍵である、ということです。

■ 理想と現実のあいだにある栽培の判断

減農薬栽培を軸に、自然農法的なアプローチも学びながらも、ぶどうの品質を保つためには現実的な判断が必要なことも実感してきました。理想だけでは健全なぶどうは育たず、現在は畑の声を聴きながら、栽培の基本を大切にし、適切な時期に作業を行うこと、健全なぶどうを収穫するために必要な最低限の防除を心がけています。

■ 畑の個性・天候に応じた柔軟な対応

毎年、天候は異なり、同じ畑の中でも微妙に条件に差がありますので、様々な状況に応じた柔軟な対応が欠かせません。例えば、ぶどう樹の樹勢や樹液の流れを考慮した剪定方法、畑の立地条件や品種の特徴を考慮した防除の内容やタイミングの調整、同じ品種でもぶどうの成熟状況に合わせた収穫時期の調整、病害が発生した畑では徹底した選果を行うなどの工夫をしています。

■ 思いをこめて一歩づつ

 理想どおりに進まないことも多々ありますが、それでも「美味しいワインを届けたい」という思いを原動力に、日々畑に立ち、経験と技術の蓄積を通じて、より確かな栽培方法を模索し続けています。

醸造

ワイン造りは、どこか料理にも似ています。「良いワインは良いぶどうから」。
この言葉のとおり、美味しいワインにとって、何よりも大切なのは、原料となるぶどうの鮮度と品質です。
そこに加わるのは、品種の個性を引き出す酵母の選定や醸造技術、そして最終的な味わいを思い描くセンスと情熱。一本のワインが生まれるまでには、こうした要素が繊細に絡み合っています。
私たちは、ぶどう農家として、健全で凝縮感のあるぶどうの栽培と品質の確保に日々取り組んでいます。そして、そのぶどうの個性を最大限に活かす醸造スタイルを追求しています。
現在は、車で5分ほどの安曇野市にある「ル・ミリュー」さんに醸造を委託しています。代表の塩瀬さんとは、長年ぶどう栽培を通じて信頼関係を築いており、毎年一緒に仕込み方法を検討しながら、理想の味わいを目指して二人三脚で進めています。醸造工程にも実際に関わらせていただき、自家醸造の夢に向けて学び続ける貴重な場となっています。
2020年の初醸造から、少しずつラインナップを増やしながら、理想の味わいに近づく手応えを感じています。ただ、ぶどうは農産物。天候などの自然環境に左右されるため、思い通りにならないことも多々あります。ですが、だからこそ、ワイン造りには奥深さと魅力があるのだと感じています。
2025年、リリースから5年目。私たちは、自分たちが描く理想の味わいを追い求める旅の途中にいます。毎年の経験を糧に、ぶどうと真摯に向き合いながら、より良いワインをお届けできるよう、これからも挑戦を続けていきます。